猫を保護する

キャットシッターしろねこしろの福元です。

先日、道端でうずくまっている子猫を見つけて保護しました。
大変な覚悟が要りました。迷いもあり、葛藤しました。その時のことを書こうと思います。

私は歴代の猫を28年飼って来ましたので、何度も猫の闘病と看取りを経験しました。
今年1月にたけのこを腎臓病で亡くした時、もうこんな辛い思いをしたくない、もう無理だと思いました。

これからはさくた1匹をべったべたにかわいがって元気で長生きしてもらおう。いつか来るお別れの時ができるだけ先になるように健康管理をしっかりしよう。それまでは自分も健康でいて、ゆっくり覚悟をしていこう。
さくたの他にもう猫は飼わないと心に決めました。

その日は朝歩いていましたら、猫っぽい布が道端に落ちているのが視界に入りました。
猫飼いならではだと思いますが、普段歩いていて、視界に入る大きめ石や、折れた木の枝や、壁のシミなどが一瞬猫に見えることがあり、なーんだ、と思うことが結構あります。
でも今回は布ではありませんでした。立体的な丸い後頭部に、小さな三角の耳がふたつ、ちょこんとついていました。
こ、子猫・・。本物の猫だ。

まずい、と思いました。子猫を見つけてしまった。うちでは飼えない。どうしよう。
猫に焦点を合わせずにこのまま通り過ぎてしまおうか。見なかったことにしようか。

迷いながら子猫の前を通り過ぎて、やっぱり振り返ってしまいました。
子猫はうずくまったまま動きません。よく見ると断続的にブルブル、ブルブル、と小さく震えています。
目は猫風邪をこじらせたのか、上下のまぶたが腫れて、膿みが出ていて開けられないような状態でした。

これはもう危ない、放っておくとすぐ死んでしまう。どうしたらいいんだろう。
朝7時すぎ。動物病院も開いていないし、もし連れて帰ってもこんな状態の子猫を私では助けられない。

立ち尽くしていると、背後の車道に信号待ちの車が並んでいて、その中の子供がこちらに向かって何か言いました。
何を言っているのかは分かりませんでしたが、それがきっかけで我に返りました。
とにかくどうするか決めて、動かなきゃ。

「お母さん、いないの?」子猫に声をかけましたが反応がありません。見渡しましたが、どうも1匹だけでいるようです。
よし、一旦帰ろう。帰ってダンボール箱を持ってこよう。素手で触って、さくたに病気がうつっては大変だし。
私は手ぶらで、携帯電話もおさいふも、タオルさえも持っておらず、ポケットに家の鍵だけ入れて歩きに出ていたのです。





元気な頃のたけのこさん
元気な頃のたけのこさん


私は急いで帰りました。そこは家まで歩いて10分くらいの場所でした。
早歩きをしながら、あれこれ考えました。

帰ったらまずメールで夫に相談しよう。
動物病院が開く時間までどうするか。
現金は家にあっただろうか。
車がないぞ。(普段JR通勤の夫が運休のため車を使っているので)
猫は里親を探そう。
里親が見つからなかったらうちで飼うしかないだろう。
15年後の私はいくつだ、59歳か。まあ健康でいられそうだ。(猫の平均寿命は15年ほど)
では20年後はどうだ、64歳か。まあなんとかいけるか。(最近は20年生きる猫もけっこういる)

早歩きのおかげで少しは時間短縮できたでしょうか。家に着き、手を洗い、うがいをし、さくたの居場所を確認しました。

さあダンボールを準備しようと、しまってある場所を開けると、ひとつもありません。
はっ!そうだ、昨日リサイクルステーションに持って行って、一つ残らず処分したんだった。。

代わりのものは何かないか。色々と探してみましたが、ありませんし、思いつきません。
さくたのキャリーバッグは最終手段として、他に何かないか。。

そうこうしているうち、ふと頭にこんなことが浮かびました。
「ダンボールが無いってことは、もしかして保護しない方がいいってことなんじゃないの?」と。

(長くなりそうなので、次回に分けて書くことにします。)