落ち着け

キャットシッターしろねこしろの福元です。

先日、いとうあさこさんが「ドラマ、愛していると言ってくれの豊川悦司の手がいい」とテレビでおっしゃっていまして。
どうやら都会の方では再放送をしていたらしいです。
なつかしい!

わたしもリアルタイムで観ていました。1995年のドラマです。
その頃流行っていたキラッキラの恋愛ドラマは、どうもこっぱずかしくて観られなかったんですが、
「愛していると言ってくれ」は毎週金曜、本当に楽しみにしていました。

久しぶりに観たいわーと思ってプライムビデオで探したら、ありまして。
先週は時間のある時にずっと観ていました。はわぁ〜。

豊川悦司さん、手もいいんですが他もいいんです。
とても大人な男性を演じておられましたが、笑うとかわいいし、初対面の人にペコっと頭を下げる仕草がとても人柄がよさそう。「えっ?」と聞き返す表情も人にきちんと向き合う誠実な感じがしてすごくいい!はわぁ〜。

相手役は常盤貴子さんで、これまたかわいかった。21〜22歳の設定だったと思います。

この女の子、若さゆえか、彼の昔の恋人に嫉妬して誤解して、ひとりで空回りしてドツボにはまってしまいます。
トヨエツは何も悪くないんです。いつでも誠実で、一生懸命説明しようとしているのに、この娘はすぐ感情的になって「もう聞きたくない」とか言うんですよー。

落ち着け!落ち着いてちゃんと話をすれば誤解が解けるのにー。

で、このお嬢さんですね、一人暮らしの部屋で猫を飼っているんです。
衝動的に部屋を飛び出すし、外泊するし、彼氏の部屋に入り浸るし。君は猫の世話をちゃんとやっているのかね?

そのうち猫も一緒に同棲を始めるんですが、ケンカしたまま世話も頼まず地方公演に行ってしまうし。(劇団所属の女優の卵なので)

でもトヨエツは優しいので、頼まれていなくてももちろん猫にごはんをあげます。
リードをつけて抱っこして一緒に買い物に行ったりして。
彼女がいない時でも猫をとてもかわいがって、撫でかたも愛があって素敵なのです。はわぁ〜。

その後いろいろあって同棲を解消するんですが、トヨエツは猫のことを「コイツもらっていい?」って聞くんです。
常盤貴子は猫の存在も忘れていたはず。置いたまま何日もどこかへ行っていたし、荷物をまとめてまっすぐ玄関に向かっていたもの!

「置いて行った方が猫も幸せだ!」と思わず口に出してしまいました。…って落ち着け自分。ドラマだぞ。
落ち着かないといけないのはこの私だったようです( ̄▽ ̄;)

でもこれ、猫飼いあるあるじゃないかなあと思うんです。

友人知人の知っている猫はもちろん、ドラマや映画に出てくる猫や、小説に出てくる架空の猫までも心配したり。
最近の大雨で辛い目に遭っている猫はいないだろうかと、会ったこともない猫たちを想像して胸が痛んだりします。

大げさですが、この世の全ての猫が幸せだといいなあと願ったりして。すごい力を持ってますよね、猫って。



哀愁漂う?背中
哀愁漂う?背中



私がキャットシッターになった理由はたくさんありますが、猫を大事にしている人が好きで、お役に立てたら嬉しい。それに猫ちゃんとたくさん出会えるし、楽しいことばかりだと思っていました。(命を預かるので責任は重いですが。)

でもなってみて初めて分かりました。心配事が増えるということが。

お世話を終えて、「また明日来るからね」とか「飼い主さんは明日帰ってくるからね」などと言って猫ちゃんを撫でてから帰りますが、自分の猫を置いて出かける時とまるで同じ、せつない気持ちになります。
玄関で靴を履いていると、隣にちょこんと座ってきたりする猫ちゃんもいて、胸がギューっとなります。

そして飼い主さんが帰ってくる時間まで、「お留守番がんばってるかなぁ」と考えたり、抗議でいつもと違ういたずらをして、怪我などしていないだろうかと心配したり。

まだこの仕事を始めて1年目で、ご依頼の件数も多くないですが、「あら?これつらいかも?」と最近気づきました。
こればっかりはどうもなー。でも今後慣れていくんでしょうね。というか慣れなければ!

私が心配を請け負う分、外出中の飼い主さんの不安が少しでも軽くなれば、それでいい!
それでいいのだー!!
それこそがキャットシッターの大事な仕事なのだー!!

(落ち着け)